内視鏡下手術支援ロボット「ダビンチ」

DESCRIPTION

藤田医科大学病院で高度な技術やチーム医療のノウハウを身につけた医師たちが、連携して専門性の高い診療を提供し、緊急手術、低侵襲手術で地域に貢献。 外科や泌尿器科などの手術で積極的に活用していきます。

プロフィール

藤田医科大学岡崎医療センター副院長
須田 隆

1992 藤田医科大学(藤田保健衛生大学)医学部卒業
1992 藤田医科大学病院 研修医
1994 国立療養所中部病院 研修医
1995 藤田医科大学胸部外科勤務
1998 Washington University School of Medicine Division of Cardiothoracic Surgery Research Fellow (G. Alexander Patterson’s Lab).(米国、セントルイス)
2001. 藤田医科大学胸部外科学 講師
2004 藤田医科大学呼吸器外科学 講師
2008 藤田医科大学呼吸器外科学 准教授
2017 藤田医科大学吸器外科学 臨床教授
2020 藤田医科大学岡崎医療センター呼吸器外科 教授

専門は呼吸器外科低侵襲手術。2005年悪性胸膜中皮腫に対する胸腔鏡手術を報告。2009年肺癌に対する本邦第1例目のダビンチロボット手術を執刀。2012年胸腺腫・重症筋無力症に対する二酸化炭素の送気を併用した剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術を開発。2014年ダビンチロボットを使用した剣状突起下アプローチによる胸腺摘出術法を開発。呼吸器外科手術執刀数1400件以上。経験手術件数3000件以上。海外施設24施設、国内30大学病院を含む110以上の施設に対し延べ200回以上の手術指導を行っている。

内視鏡手術で患者さんへの負担を軽減

心臓以外の胸部にある臓器や肺の悪性腫瘍、いわゆるがんを手術で取り除くことが私の専門領域です。特に力を入れているのは内視鏡手術。これまで肺がんなどは開胸といって、30cmほど胸を切開する手術を行うのが主流でした。内視鏡手術であれば3~4cmほどの小さな傷だけで済みます。術中の患者さんへの負担を軽減できますし、後遺症も抑えることができます。

従来の手術だと、肋骨に通る肋間神経を傷つけるため、どうしても神経が麻痺して痛みやしびれが残ってしまうというのが大きな課題でした。内視鏡手術であれば肋間神経を極力傷つけずに手術ができますので、後遺症が残る恐れが格段に低くなります。

自分が受けたい・家族に受けさせたい医療かどうかを考える

人がやってきた仕事は踏襲しないというのが私の基本的なスタンスです。他の先生の手術は参考にはするけど真似はしない。身体に極力負担が少なくてかつ精度を保つ、もしくは上げる新しい手法を常に追求しています。

そのためには、まずは教科書に書いてあることはすべてできなければいけない。基本を踏まえた上で、新しいアイディアが産まれるのですから。

これまで肺がんを除去するためには開胸手術という方法が選択されてきました。それが近年では内視鏡手術にシフトしつつあるのは先ほどお話したとおりです。今ではさらにその精度を上げるためにロボット手術が普及しつつあります。

常に新しい技術、オリジナルの技術を生かして、患者さんとメリットがある手法を創造していくのが私のライフワークと言えます。

一方で、普段治療を行う際には、「自分が受けたい・家族に受けさせたい医療かどうかを考える」ということを大切にしています。本当に患者さんにとってメリットがある医療、一番良い結果になる医療を提供するのが医師の責任ですから。

そして、患者さんとお話しする際にはなるべく分かりやすい言葉を使うことを心がけています。「分からないけど聞けない」ということがないよう、やさしく、怖がられないような接し方を意識して、親しみやすい雰囲気作りを大切にしています。

ロボットがあれば、今まで人の手でできなかった内視鏡手術が実現

岡崎医療センターには「ダビンチ」という最新型の手術支援ロボットが配備されています。人間の手の関節と同じような動きができるので、縫合も思ったようにできます。人間の手はどうしても震えなどが生じますが、ロボットの場合はそれがないので、より精度を上げることができます。

また、ロボットを使って手術をすれば、身体の深くにまで入り込んで、直接悪いところにアプローチすることも可能です。先般、当院では非常に難易度が高く、従来なら開胸手術をしなければできない人工血管の縫合をロボットで行いました。世界で初めて成功し、まだ2例しか実例がありません。

このように、ロボットがあれば、今まで人の手でできなかった内視鏡手術も実現できます。より患者さんにとって選択肢が広がり、メリットも大きくなるのです。

内視鏡下手術支援ロボット「ダビンチ」(da Vinci Surgical System)

このような最新設備を使った手術ができるのも、私が常に新しい技術を取り入れられるのも、藤田医科大学だからこそだと思います。
一般的な病院だと、どうしても新しいことにチャレンジしにくい環境があります。安全性が担保できない、能力を超えたことをさせないという観点から考えると、保守的になってしまうことはある種当然のことでしょう。でも、守りばかりでは成長しません。

藤田医科大学では私が「新しいことをしたい」「新しい設備を導入したい」と言っても上司が止めることはありません。例えばロボットは1台導入するのに3億円ものコストがかかります。しかも、当時は保険適用外だったので、やればやるほど病院は損をします。でも藤田医科大学病院はロボットの導入を認めてくれました。

確かに知名度は国公立の大学病院に負けているかもしれません。でも、藤田医科大学でなければ今の私はなかったと思います。

今ではおかげさまで「内視鏡手術は藤田」というイメージが定着し、全国各地、あるいは海外から視察や手術指導の依頼をいただくほどになりました。藤田医科大学が母校であり、職場である私にとっては、大変誇らしいことです。

世界最先端の内視鏡手術やロボット手術を岡崎でも

内視鏡手術やロボット手術の設備、そして私が今まで一緒にやってきたチームのメンバーが全員移動し、豊明にある藤田医科大学病院と同じ水準の医療、世界最先端の内視鏡手術やロボット手術を岡崎でも受けることができます。

最新の設備と精鋭のスタッフをそろえ、日本における呼吸器外科、内視鏡手術の最高峰を目指しています。

「内視鏡手術は藤田」というイメージに付け加え、「内視鏡手術は岡崎医療センター」と言われるほどになりたいです。

患者さんはもちろんですが、視察や手術指導を希望される先生方にも、岡崎医療センターに来ていただけるようになると、うれしいです。

患者さん、地域の方々へ

もし胸に違和感があるのなら、お気軽に相談してください。仮にがんなどの疾患でなくても問題ありません。専門外であっても信頼がおける医療機関をご紹介します。セカンドオピニオンとして私たちを利用していただいても結構です。

私たちのところに来ていただけたら、「自分が受けたい、家族に受けさせたい」医療を必ず提供します。どうぞ、遠慮なくご相談いただければ幸いです。

最後に

肺がんの場合は5年経過しないと完治したかどうか分からないものです。患者さんに「もう来なくてもいいですよ」と言える瞬間が何よりうれしい。
どんなに頑張っても医療は100%ではありません。でも、そのパーセンテージを限りなく100に近づける。それが私たちの役割だと考えています。