DESCRIPTION
岡崎医療センターの使命は、24時間365日体制での救急医療。8人の専任救急科医師が中心となるER型救急で、軽症から重症まで対応。断らない救急医療を実践することで、西三河南部東医療圏の方々が安心できる救急体制を提供していきます。
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プロフィール
藤田医科大学医学部
救急総合内科学講座 主任教授
藤田医科大学病院 救命救急センター長
岩田 充永
救急科専門医・指導医、総合内科専門医・指導医、老年病専門医、プライマリ・ケア認定医
これから救急の現場には内科の知識が絶対に必要
私は、藤田医科大学病院救命救急センター(豊明市)と藤田医科大学岡崎医療センター(岡崎市)のER、2つの救急病院を統括しています。スムーズに機能し、1人でも多くの患者さんを受け入れ、助けられるよう、現場の医師や看護師たちに指示を出し、バックアップするという立場です。
豊明の藤田医科大学病院では、他の医局や地域の他の病院、あるいは自治体などとも連携を取りながら、患者さんがより適切な医療を受けられるよう地域ぐるみで対応しています。
もともとがんの治療や研究に興味があったので、大学を卒業した後は内科に進むことにしました。内科医として救命救急の経験もさせてもらいました。昔の救命救急センターは外傷や交通事故などの対応がメインだったのですが、近年では高齢化にともない、「病気」で運ばれてくる患者さんが圧倒的に多くなってきているという現状があります。
前任の教授からの「これから救急の現場には内科の知識が絶対に必要になる」という言葉に感銘を受けて、私も救命救急センターに入局することを決意しました。
より適切な処置をより早く患者さんに行えるような体制を整えています
救命救急センターや救急病院は、比較的軽度で入院や緊急手術を必要としない患者を受け入れる救急、入院や手術を要する患者を受け入れる救急、重症かつ複数領域の疾患を抱える重篤患者の救命医療を担う救急という3つに区分されます。
一般的に一次救急の病院は一次救急の患者さん、救急の病院は救急の患者さんを受け入れます。以前でしたらそれでも問題はなかったでしょう。でも、近年では内科的疾患で搬送されてくる患者さんが多くなってきました。そうすると、ひと目見ただけでは軽症なのか重症なのかが分からないケースが多々あります。軽そうに見えても、実は重症だったということもあり得るわけです。
救急隊員もどこに搬送したらいいか判断がつきにくい、医師がしっかり診察しないと適切な医療ケアを施しにくいというケースが非常に多くなりました。
そこで、藤田医科大学病院救命救急センター(豊明市)では一次救急から三次救急の患者さんも、すべて受け入れるようにしています。まずはセンターで医師が的確に判断して、重症であれば集中治療室で治療を行うというような流れを作り、より適切な処置をより早く患者さんに行えるような体制を整えています。
まずは目の前の患者さんのために動くということを心掛けています。特に私たちが接するのは救急で搬送された患者さんなので、一刻を争う状況です。適切かつ迅速に判断して、しかるべき治療を受けられるようにする。藤田医科大学病院救命救急センター(豊明市)内だけでなく、藤田医科大学のすべての医局、そして近隣の病院とも連携を密にして対応にあたっています。
私自身も救命救急医として診察や治療に直接携わることもあるのですが、統括する立場としてはできるだけ現場の医師や看護師に自分たちで判断する機会を多く与えてあげたいなと思っています。
やはり、人は自分で考え、経験を積まないと成長はありません。医師もそうです。後輩が自分で患者さんを診て、判断する。判断に迷ったら私に相談してもらう。そんな職場づくりを心がけています。
現場で連携を密にとって地域医療に貢献
豊明にある藤田医科大学病院救命救急センターは、先ほどもお話したとおり、一次救急から三次救急まで幅広く地域の患者さんを受け入れています。
すでに岡崎では岡崎市民病院や安城更生病院といった医療機関が救命救急の要として頑張っていらっしゃいます。しかし、患者数に対してキャパシティが不足しているというのが現状です。
本来救命救急センターが最優先で受け入れるべきなのは三次救急の患者。でも患者数も多く、そのために医療機関が三次救急の患者のケアに専念できなくなってしまうのではないかという危機感がありました。
岡崎医療センターが救急の受け入れを担うことで、今ある各医療機関の救命救急センターが三次救急に専念できる環境の構築が可能になると考えます。岡崎エリアの救命医とも顔見知りなので、現場で連携を密にとって地域医療に貢献してまいります。
藤田医科大学病院の良いところは、困った時は一致団結するというところです。医師同士だけでなく、看護師も、上層部も、全員が協力する体制が整っています。
一般的な病院だと、他の医局が手一杯になってしまうので、救命救急センターが患者さんを多く受け入れることをしません。でも、藤田医科大学病院なら協力体制や信頼関係がしっかり構築されているので、一度に多くの患者さんを受け入れることができます。今必要とされていること、社会に貢献することを実現できる病院だと思っています。岡崎医療センターでもそういった風土を醸成していきたいです。
患者さん、地域の方々へ
怪我をした時、病気になった時は不安に思われるかもしれませんが、救命救急のプロが強い想いをもって、適切に対処します。私たちはよく「“心肺停止”から“心配呈し”“心肺停止”から“心配停止”へ」という言葉を使います。安心してご相談いただき、お任せください。